代表挨拶

秋林こずえ 

 前代表の岡野さんの任期終了に伴い、事務局を岡野さんと交代する形でこの度学会代表を務めることとなりました。2008年に運営委員に加わりましたが、2009年度の大幅な運営委員体制の変更を経た後、岡野さんを中心とした運営委員会はいろいろな困難を抱えながらも、会員の皆様に助けられながら何とか学会を続けてきた、というのが正直な感想です。 

 学会の運営の困難もさることながら、本学会の主要な研究テーマの一つである「軍事基地」の問題は深刻になるばかりです。私が活動しているアジア太平洋軍事基地撤廃ネットワークのメーリング・リストには文字通り毎日、各地での軍事増強のニュースとそれに抵抗する仲間たちからの「ヘルプ!」の叫びが送られてきます。

 

  韓国・済州島での軍事基地建設、オーストラリア・ダーウィンへの米海兵隊駐留、ハワイの米軍太平洋司令部の強化、グアムの基地強化などです。そして沖縄では、普天間基地をそのままにして辺野古への基地建設ばかりが進められようとしています。その辺野古の浜で座り込みを14年間続けているテントに対して地元の辺野古区から退去要請が出され、東村高江ではヘリパッドの建設作業が強行されようとしています。また2万2千人余りの原告による第三次嘉手納基地爆音差し止め訴訟も起こされています。 

  もちろん、喫緊の課題はこれだけではなく、私たちは多くの問題に直面しています。このような時代にどのような学会活動をすればいいのでしょうか。 

 2年前の運営委員会で本学会の存続そのものが議論された際に、社会的な活動と研究とを議論できる貴重な学会なので継続するべきだと私は主張しました。 

 今でもその考えは変わりません。むしろ思いを強くしています。例えば学会員数の増加を目指してアカデミズムに目を向けたときに、本学会のテーマを研究している研究者がとても少ないことに気づきます。それは偶然ではありません。

 

ジェンダーの視点からの軍事主義、軍事基地や軍隊の分析や日本軍「従軍慰安婦」についての研究を大学院でしたいと思っても、指導教員が容易には見つけられないからです。私自身、1992年に大学を卒業した当時、ジェンダーと平和教育を勉強できる大学院を日本では見つけられず、会社員生活を経て1995年に米国で大学院に進学しました。15年以上経った今でも状況が劇的に変わったようには思えません。 

 それでも、軍事基地・軍隊や武力紛争、貧困などについてジェンダーの視点から考えたいと思う研究者や活動家がいて、研究と活動の共同作業の必要性はますます高まっています。そのような社会的要求に応えられるような、本学会のより活発な活動が求められていると思います。 

 これから学会員間での研究・活動交流をより広め、深めていけるように、運営委員の皆さんとともに努力していきたいと考えています。力不足の代表ではありますが、2年間、どうぞよろしくお願い致します。 

 

                                     2011年10月23日

 

 


<お問い合わせ>

〒602-0898

京都市上京区烏丸通上立売上る相国寺門前町647-20 

 同志社大学大学院 

  グローバルスタディーズ

  研究科内 

 

  岡野八代 研究室

  joseijinkensensou@gmail.com